《地元紙》――――――――「静岡ニュース」
本年一月一日号の興亜観音の関連記事をご紹介します。


 過半、「興亜観音を守る会」会長・田中正明氏から書状と「興亜観音」(第十号)の小冊子をいただいた。
 同氏は東京都内に住む、近現代史評論家として著名な方である。
 毛筆で書かれた文面には、昭和十五年南京攻略の軍司令官松井石根大将が、日中双方の戦没将兵の霊を弔うため、彼我の鮮血染みた江南地方各戦場の土をもって観音菩薩を建立した由来など細かに書かれている。
 それによると、興亜観音は昭和十五年に松井大将が熱海市伊豆山に建立した。
 のち、A級戦犯として殉難死した松井大将以下七士の「遺骨」が納められ、BC級戦犯として一〇六八柱の御霊。
 大東亜戦争全戦没者の御霊も併せて祀られているという。
 (南京占領は昭和十二年十二月十三日。松井大将は翌十三年二月二十一日上海から日本へ凱旋している)この松井大将の遺志を継承し、護持すべく設立したのが、「興亜観音を守る会」(平成六年十一月創立)で、「特定の宗教・宗派にこだわらず、興亜観音を守り、もってわが国の伝統、文化を正しく認識するとともに、世界平和に貢献することを目的としいている(会則第二条)創立総会の日は厳粛な慰霊法要が行われ、地元奉賛会を代表して内田滋熱海前市長が「戦後、日本の歴史はゆがめられている。この興亜観音を護持することも歴史を正す一つの道である」と挨拶した。
 現在、観音堂内の右側に「日本国戦没者霊位」、左側に「中華民国戦没者の霊位」の位牌がある。(第十号)
 「興亜観音を守る会」は、昨年十一月に、創立五周年の懇親パーティを開催して関係者多数が出席。
 会則第三条に則り、興亜観音の諸施設の維持管理、「聖職者」への生活費の援助など、諸事業を続けていくことを確認した。
 いただいた書状の最後に田中会長は「ご入会頂き、ご協賛賜らば望外の幸せです。わが残生のすべてをささげて会の発展に尽瘁(じんすい)することを使命とします」と書かれている。
 齢(よわい)九十歳。
 尚、矍進たる田中会長の興亜観音への挺進、致心の誠を尽くす真情を伺い知ることが出来て胸が熱くなった。」


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