「激動の二十世紀展」
パノラマで綴る栄光と不屈の歩みそして静岡
河守廣征(興亜観音を守る会理事)
パネル展示風景

 毎年8月の終戦記念日の前後数日間、左翼系の団体が静岡市役所市民ギャラリーの展示室の一室で「平和のための戦争展」と称するパネル展が開催されている。
 勿論(もちろん)テーマは「我が国がアジア諸国を侵略した」という自虐史観で貫かれている。
 私達「近現代史研究会」では彼らに対抗して、19世紀末から20世紀にかけて、我が国が置かれた立場や、果たしてきた役割などを史実にもとづいて客観的に検証し、年表とパネルを作成し、多くの人達に広く知っていただこうと「世界に開かれた・激動の二十世紀展・パノラマで綴(つづ)る栄光と不屈の歩み・そして静岡」というタイトルで8月の同じ時期、同じ会場で一大キャンペーンを打つことになった。
 「そして静岡」というサブタイトルは、我が郷土静岡に埋もれた貴重な遺産を掘り起こし後世に伝えようという試みである。
 興亜観音を守る会理事会の席上、私はその旨の説明をさせていただき、その後例大祭にも列席し、多くの人達の協力も得、又貴重な資料も入手できて何枚かのパネルができあがった。
 監修は、近現代史では日本で第一人者といわれる名越ニ荒之助元高千穂商科大学教授にお願いして約170枚の年表、パネルが見事に完成いたしました。
 その後頻繁に準備委員会がもたれ、今年8月8日、静岡市役所市民ギャラリーの展示室の一室でパネル展開催の運びとなった。
 地元の静岡新聞社、SBS静岡放送、産経新聞社静岡支局など後援をいただき、テレビ、新聞等で大きく取り上げてくれたお陰もあって予想をはるかにうわまわる入館者に一同大満足。
 しかしいくつかのいやがらせもあった。

創建当時の興亜観音と松井大将

 右翼のパネル展か。
 このパネル展にはまったく反省の色が無い。
 このパネルは逆プロパガンダだから外せ。
 従軍慰安婦を認めようとしないのか。等々。
 8月14日、いよいよ向かいの展示室で左翼系団体の「第七回、静岡・平和のための戦争展」が始まった。
 始めのうちはお互いの対抗意識がはたらき緊張した雰囲気に包まれていたのですが、入館者のほとんどが双方の展示室を行き来しており、同時開催による相乗効果もあってかお互いの対抗意識も次第に和らぎ、何ひとついさかいも無く和やかな雰囲気となり不思議な気分になりました。
 展示されているパネルやそのキャプションは全く正反対、ただ一致しているテーマは「二度と悲惨な戦争の無い社会を目指す」ということ。
 やがて閉館日の16日。
 私達の暑くて長い夏は終わりました。
 当初の入館予定者数1000人をはるかに越え、なんと3000人近い入館者があり、多くの国民が関心を寄せてくれていることを知って私達の果たした役割の重大さを改めて感じさせられました。
 同じ時期、同じ会場で全く正反対のイデオロギーを持つパネル展が開催されたのは、おそらく全国で始めての試みであると思います。
 「ようやく歴史を客観的に見ようとする展示が現れ、安心して展示を見ることが出来ました」多くのアンケートの印象である。
 私達が国民に投じた一石が静岡を発して全国に広がっていってくれることを切に祈ります。
 又私達のパネル展に会員多くの方々のご協賛、ご協力を賜りましたことを紙面をお借りしてお礼申し上げます。


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