我等、今、何をなすべきか

東京都教師会常任理事
田中館 貢橘

 昭和二十年頃の日本は、世界で輝かしき『一等国』であった。
 嘗(かつ)て、外国から野蛮国としか見られていなかった日本が、長年培ってきた文化遺産と民族が持つ潜在能力を生かして、明治維新以来、日清・日露戦争と言う難関を乗り越え、百年も経たない内に一等国に伸し上がったという事実は、賞賛に値する事実であった。
 しかし、当時のアジア・アフリカの諸民族は西欧諸国にとって、脅威と言うより恐怖に近い存在であった。
 言い換えれば狡猾な策略と略奪、そして虐殺によって、西欧諸国が世界の有色人種の殆どを植民地化としてしまったその中で、毅然として彼らに対抗出来る実力ある唯一の黄色人国家・日本は、目の上のたん瘤(コブ)であり、必ずや叩き潰し排除せねばならない邪魔物であった。
 これが大東亜戦争の根本的原因であって、到底、避けて通れる戦争ではなかったのであり、日本に課せられた宿命であったのだ。
 敗戦後、彼ら西洋人は、この憎き一等国を徹底的に解体すべく、まず我が民族の純粋な「大義」を泥で踏みにじり、善を悪に、正を不正という具合に全ての価値観を逆転して刷り換え、「嘘」で固めた情報を以って国民をたぶらかし洗脳してしまったのである。
 加えて、社会主義者たちの手による民族解体作業が、今も尚続けられている。
 この結果、国民はその嘘を真実だと思い込んでいるばかりか、身を大義に捧げられた幾多の方々の輝くばかりの英雄的業績と光栄を、一切否定し続けて現在に至っている。
 ここに今、我々に課せられた重要にして緊急な課題が二つある。

 第一に神々を復活することである。

 占領軍の目的は世界最強の民族を解体するために、国民から我々の神々を追放し、魂なき抜け殻の民族にする事にあった。
 この結果、官庁は勿論、学校から神々は居なくなってしまったのだ。
 この五十年間、教科書には縄文・弥生文化や邪馬台国や魏志倭人伝を述べられても、『天照大神』『神武天皇』は一切記載されていない。
 このなれの果てが悲惨な国民の現状となってしまったのである。
 ここで、まず我等の先祖が作った真の歴史教科書、『古事記』『日本書紀』に戻り、『天照大神』の御心を戴く皇室と共に歩む、「君民一体」の道を再現する事に、全力を注がねばならない。

 第二は、大東亜戦争の再評価である。

 我等大和民族は、天皇陛下の御下命により、「自主独立」と、「東洋平和」とを切に願いつつ『八紘一宇』という雄大な大義のもと、『皇軍』という名において、正々堂々と全世界と戦ったのである。
 誰が何と言おうと、この戦いは「聖戦」以外の何物でもなく、全世界史上に燦然と輝き残る、大いなる業績そのものなのである。

 ここに伏してお願いがある。

 それは、大東亜戦争に参加された方々自らが、我が民族の世界に冠たる聖戦の意義を述べ、自らの尊い実体験を語って頂きたいのである。
 確かに、このように述べると、それは「皇国史観」だとか、「戦争につながる考え方」と言って反対する族(やから)が今でも少なくない。
 しかし、彼らこそこの五十年間国民をたぶらかし、腐敗と堕落の縁に追い上げて何の反省も出来ない高慢な国賊的存在である事を知らねばならない。
 今こそ本来の大和民族に戻り、我等が持つ、世界的使命と役割を自覚して、大御心に応え奉る刻なのである。


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