ハワイから興亜観音を思う

早瀬 登


 仕事の関係からハワイで暮らすようになり、そのままこちらに永住するようになった私ですが、日本に帰国する度に必ず興亜観音にお詣りさせて頂いています。
 今年も3月に参詣しましたが、こちらで3年がかりで般若心経を筆写した折り紙で折った千羽鶴の奉納を、かねての念願が叶いその時に果たすことが出来ました。
 伊丹姉妹様が観音堂に下げて下さり、同行してくれた奈良君(幼年学校同期生)から聞きましたのでお目にされた方もあるかも知れません。
 私が訪れると変わらぬ温顔で出迎えて下さる姉妹には、いつもながら感謝しています。
 ご存知の通り当地には日系人が数多くいます。
 そのハワイには「木曜午餐会」という会があります。
 大正7(1918)年、当時のホノルル総領事だった諸井六郎氏の発案で第1回が開かれたそうですから、今年で85年になります。
 大東亜戦争中も途切れずに続いていたとのことで現在会員は約100名、会費は年15弗(ドル)です。
 例会は毎週木曜日の正午から1時間と決まっていて、講師の話を聞くのですが、講師によっては200人位集まることもあります。
 会員でなくても誰でも無料で参加することが出来るのです。
 年齢は私など若い方(注・73歳)でほとんどが私より上の主に女性です。
 ここへ来て20〜30代の若い人も増えつつあります。
 会報「木曜午餐会便り」が毎月発行され、講師と講演題目のお知らせや新会員の紹介が載ります。
 去る4月号には「会員の広場」欄に、私の書いた「興亜観音について」が掲載されました。
 失礼ながら日本国内でも知らない方が多い興亜観音について、また松井大将の怨親平等の精神を異郷の地ハワイでご紹介できたことをひそかな喜びと思っています。
 毎日のように殺伐な日本のニュースが、ここハワイにも即時テレビで流れています。
 戦後の占領軍による洗脳政策と、ソ連崩壊後も続くコミンテルンの妄想から抜け切れぬ人々によって大きく歪められた結果でしょうが、1日も早く本来の日本人の心を取り戻すためにも、更めて興亜観音の存在の意義を思う今日この頃です。
 ハワイからの興亜観音への思いの一端をお届けした次第です。

 (当会会員・ハワイ在住)


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