第2期工事完了のご報告
駐車スペースを確保しました

徳富太三郎(一級建築士)

 本堂前ステージなどの改修第1期工事が平成10(1998)年8月に完成し、引き続き第2期工事として、既存道路を幅員約5メートルに拡幅、駐車スペースを設ける工事に着手しました。
 出来るだけ廉価(れんか)に駐車スペースを造ることが目的でしたが、杉の大木の伐採、灯籠(とうろう)の移動、隣地との境界擁壁(ようへき)の作り直し、又がけ面の掘削、路地のならしなど、数多くの作業を要する難工事でした。
 土量の切盛りは、工事現場内でバランスをとり、土砂の搬出搬入は無いように処置しました。
 又風致地区内の工事許可を昨年4月に静岡県より取得しましたが、その許可済の範囲内で施工致しました。
 侵入路は急勾配ですが、その先の比較的緩かな既存道路を長さ約30メートルに亘(わた)って、幅員約5メートルに拡幅しましたので、車4、5台の駐車が可能となりました。
 車がUターンできるスペースも設けました。

*     *     *

 工事の施工は、既に第1期工事に於(お)いて実費奉仕の実績のある早川君に、直営で依頼しました。
 着工は10月1日、先ず高さ25メートルもある杉の伐採から始まりました。
 高所の、危険を伴う作業でしたが、無事完遂しました。
 次に既存土留めの撤去、新設擁壁の基礎の掘削にかかりました。
 10月中は雨が多くて工事は進捗(しんちょく)せず、11月2日に青井秀山師に依頼し、工事安全、完成祈願の法要を営んで頂きました。
 霊験あらたか、11月からは好天に恵まれ、工事は順調に進捗致しました。
 ところが工事主体者の早川君が発病、工事を中断せざるを得なくなりました。
 ボクサー時代の外傷による目まい、頭痛が再発し、これに加えて糖尿病が発見されました。
 ここに到っては、残工事は他の工事人を選定せざるを得ないことになりました。
 そして橘田君(ステージの鉄骨工事の施工者)の紹介によって、(有)黒川の黒川博君に委託することになりました。
 1月末に運営委員会に経緯を報告、残工事の一切を請負工事としました。
 工事は2月2日に再開し、鉄筋、型枠、コンクリート工事と順調に進み、埋め戻し、床づけを終えて、最終段階の進入路及び拡幅道路舗装のコンクリート打ちは3月1日に終了致しました。

*     *     *

 当初は土のうによる土留めなど、応急、仮設的な構造を計画していましたが、土質が土のうに不適な事、掘削現場から大きな石が大量に出土する事などから、土のうは止めて現場出土の石を利用して土留めし、要所要所には鉄筋コンクリートを使用しました。
 その為に時間と費用が嵩(かさ)みましたが、完成した構造物は半永久的なものになりました。
 第2期工事は地形上の制約が厳しく、又風致保存、即ち境内地、参道の森厳さを保つ為、樹木の伐採を最小限に抑えた事もあり、進入路は急勾配、かつ不整形であります。
 車は慎重な運転を要するなど、ご不便をおかけいたしますが、ご容赦お願い申し上げます。

*     *     *

 本堂前ステージ改修、今回の駐車スペースは全て皆々様ご芳志の協賛金によって賄(まかな)うことが出来ました。
 あつく御礼申し上げます。
 次の目標は、谷間状の竹林の土地(大屋浩氏所有地)を譲渡して貰い、本格的な駐車場を設置することであります。
 又老朽化した庫裡の修復も緊急を要します。
 諸事ご多端とは存じますが、今後ともなお一層のご支援をお願い申しあげます。
 (陸士58期 本会理事)

進入路 駐車スペース

会報9号・最初のページへ