「南京大虐殺」のまぼろし
鈴木 明(すずき あきら)
三十五年前書かれた、この「百人斬り」の記事は本当に真実なのであろうか? 僕は何回も何回も己に問い周囲の人たちに問い、そして日本人の「残虐性」についても考えてみた。 正直言って、その答はまちまちであった。 ただ、確実にいえるたった一つのことは、われわれは、まだ加害者の声も被害者の声も関係者の声も、唯の一度として直接耳にしたことはない、ということだけであった。 僕が突如立ち上がったのは、ある日送られてきた一通の手紙を見た時のことである。 差出人は、百人斬りの「犯人」の一人、向井少尉の未亡人であった。(本文から) |
書籍名 | 「南京大虐殺」のまぼろし |
著者名 | 鈴木 明(すずき あきら) |
出版社 | 文藝春秋 |
定価 | 本体880円 |
詳細情報 | 1973(昭和48)年3月発刊 現在絶版 |
関連項目:[新「南京大虐殺」のまぼろし]