2014.1.28 (共同通信)

「虐殺いまも身近に」スピルバーグ氏が国連追悼行事で演説

 ナチス・ドイツによる第2次大戦中のホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の犠牲者を追悼する行事が27日、国連本部で行われ、映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏(67)が「この惑星上にはいまでも虐殺が私たちの身近なところに存在する」と語った。

 ユダヤ系米国人のスピルバーグ氏は、虐殺からユダヤ人を救出した実業家を描いた映画「シンドラーのリスト」の監督。演説では、幼いころ祖母の知り合いの腕に数字の入れ墨があるのを見た記憶に触れ、ユダヤ人強制収容所で刻まれた入れ墨だったと振り返った。

 自ら立ち上げた財団がカンボジアやルワンダでの虐殺、旧日本軍による南京事件の生存者ら5万人以上の証言を集めたことも紹介。さらなる虐殺を防ぐためには「われわれが過去と向き合い、教訓に基づいて行動する以外に選択肢はない」と強調した。