2014.5.10

共同通信は8日、米ニューヨーク・タイムズ紙の元東京支局長の著作について、
一部の記述を翻訳者が無断で書き加えていたとする記事を配信した。

この記事に対して出版元の祥伝社は9日、「一連の記事は誤り」と報道を否定する著者の見解を発表した。

問題となったのは、ヘンリー・ストークスさんの口述や原稿を藤田裕行さんが翻訳した
「英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄」(祥伝社新書)。
昨年12月に発売され、約10万部売れたベストセラー。

この中の「『南京大虐殺』などなかった」との記述について、
共同通信はストークスさんが「後から付け加えられた。修正する必要がある」と取材に答えたと報じ、
藤田さんも加筆を認めたとしていた。

これに対してストークスさんは9日、
「本書に記載されたことは、すべて著者の見解。訂正する必要を認めない」とした。
祥伝社によると、ストークスさんは記者の質問の趣旨を誤解して答えたと説明しているという。

共同通信社総務局は9日夜、
「翻訳者同席の上で元東京支局長に取材した結果を記事化した。録音もとっている」とのコメントを出した。

http://www.asahi.com/articles/ASG595X2FG59UCLV00P.html

『英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄』に関する各社報道について
                                   平成26年5月9日

当該書の各社報道について、問い合わせをいただいておりますが、
あらためて著者の見解を確認したところ、以下のようなものでした。
著者からのメッセージを、ここに掲載します。   株式会社 祥伝社

                      著者の見解

1. 共同通信の取材に基づく一連の記事は、著者の意見を反映しておらず、誤りです。
2. 「(南京)虐殺否定を無断加筆 ベストセラー翻訳者」との見出しも、事実ではありません。
3 著者と翻訳者の藤田裕行氏との間で、本の内容をめぐって意思の疎通を欠いていたと
  の報道がありますが、事実と著しく異なります。

4. 共同通信は、1937年12月に南京で起きた事に関する第5章の最後の2行の日本語訳が
  著者の見解を反映していないと報じてます。共同通信は、問題を針小棒大にしています。
  著者の見解は、「いわゆる『南京大虐殺』はなかった。大虐殺という言葉は、起きた
  事を正しく表現していない。元々、それは中華民国政府のプロパガンダだった」というものです。

5. 本書に記載されたことは、すべて著者の見解です。祥伝社と著者は、
問題となっている二行の記述についても訂正する必要を認めません。