南京事件検証集会団体に
中国総領事「施設貸すな」

大阪府と大阪市に

 大阪府と大阪市が出資する大阪国際センター(ピースおおさか=同市中央区)で今月23日に市民団体が開く集会「20世紀の最大の嘘(うそ)南京大虐殺の徹底検証」について、駐大阪中国総領事館の勝安軍副総領事が17日、記者会見し、1月上旬に大阪府と大阪市に対して施設の貸し出し中止を申し入れたことを明らかにした。
 同副総領事は「集会は歴史を否定、わい曲するもので、中日関係を破壊しようとする挑発行為だ」と話した。
 在日大使館から外務省にも抗議したという。
 一方、大阪華僑団体もこの日、抗議文を提出するとともに会場の貸し出し禁止を求めた。
 これに対して、府と市は「ひとつの考えに対してだけ施設利用を否定できない」「貸し出し内容に口出しできない」などとし、ピースおおさかは「公的施設として貸さざるをえない」としている。(平成12年1月18日「産経新聞」朝刊より)

(大阪)中国総領事館 勝安軍総領事 大阪西区 TEL 06-6445-9481(代) FAX 06-6445-9476
(東京)中国大使館 領事部 〒106-0046 東京都港区元麻布3-4-33 TEL 03-3403-3064(代) FAX 03-3403-5447

旧東インド抑留者の資産
「日本軍接収の証拠なし」

オランダ政府調査委

 【ブリュッセル17日=佐野領】
 第二次大戦のオランダ領東インド(現在のインドネシア)で、旧日本軍の占領下で収容所に抑留されたオランダ人が、旧日本軍によって預金や保険金などの資産を接収されたとしてオランダ政府に調査を求めていた問題で、オランダ保健福祉スポーツスポーツ省の調査委員会は17日、旧日本軍がオランダ人の資産を接収した証拠は確認できないとの最終報告を発表した。
 この調査は、第二次大戦中にナチス・ドイツが虐殺したユダヤ人から接収した資産を預かっていたスイスの銀行が、1998年、資産を相続人に返却することに応じたことを受け、旧日本軍に抑留されたオランダ人が同じように旧日本軍に資産を接収されたとしてオランダ政府に実態解明を求めていたもの。
 同国保健福祉スポーツ省が98年2月に学識経験者らを集めて調査委員会を設置した。
 記者会見した調査委員会のファンハーレン代表は「旧日本軍が抑留されたオランダ人の資産を組織的に接収したとの訴えを裏付ける証拠はなかった」と述べた。
 第二次大戦中のオランダ領インドでは、オランダ人の住民30万人のうち、軍人と民間人をあわせて14万人が旧日本軍に抑留された。
 日本政府は1951年のサンフランシスコ講和条約で戦争被害に対する補償を行い、さらに56年の日蘭議定書で見舞金を支払っており、日本とオランダの戦後補償問題は政府間で決着している。
 これに対し、抑留されたオランダ人の一部が日本政府を相手に個人賠償を求める訴訟を起こしており、現在、東京高裁で係争中となっている。(平成12年1月18日「産経新聞」朝刊より)


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