はじめに

 辛亥革命以降、中国ではナショナリズムが勃興(ぼっこう)し、排外運動や事件が多発するようになった。
 1つはナショナリズムを利用して共産主義イデオロギーを宣伝し、革命運動を推進したソ連及び中共のの存在である。
 一方、同じく中国ナショナリズムを背景とする国民党の蒋介石は、共産革命の猛威に対しその討伐に全力を傾けた。
 だが西安事件をきっかけに共産党討伐を停止させられ、蒋介石は抗日民族統一戦線の形成に合意し排日運動に傾斜(けいしゃ)していった。
 ここでは支那事変の原因が異常な排日運動にあり、特にソ連・コミンテルンの指令による共産主義の攻勢があったことを示し、昭和史の真実を検証したい。


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