創 立 経 過 報 告      

記念法要で読経する三姉妹
記念法要で読経する三姉妹

 平成5年5月18日、興亜観音例祭終了後開かれた懇親会の席上で奉賛会の役員で、宗教法人の責任役員でもある大屋浩氏がこの興亜観音が経済的に大変窮乏していることを説明され、出席者に救済、援護を切実に求められた。
 私どもはそれまで興亜観音の経済状態は、相当苦しいのではないかと推測していたが、責任役員の方からこのような形ではっきりと聞かされたのは、初めてであった。
 その状態は憂慮すべきことであるとわかった。
 この窮状を打開するためには、奉賛会の会員を増やせば良いのであるが、その為の有効、適切な方法が差し当たって見つからない。
 むしろ宗教、宗派にとらわれず、別組織を作って協力することが実際的である。これは松井大将のご遺言にある「興亜観音は、奉賛会とは別に、内外の有志に諮(はか)りて一講社を造り、永遠に護持」することを、実現させることである。
 これを実行に移すに当たっては、既存のしかるべき組織の協力が必要である。
 その最も可能性のある団体は、会員*万*千人を擁(よう)する財団法人偕行社である。(偕行社とは、陸軍将校の親睦、研鑽(けんさん)の団体であり、伝統は古く、現在は財団法人になっている)
 幸い、偕行社の会員である私ども陸士58期生の中に、興亜観音に縁がある何名かいる。これらの者が相談して、行動を開始したのが、本会創立の原点である。
 先(ま)ず、平成5年7月、58期会報に、「興亜観音を考える」というアピールを載せ、続いて、ほぼ同文のものを、偕行社の機関紙「偕行」に載せた。
 続いて9月10日、偕行社で「興亜観音を考える会」を開催したところ、獨協大学の中村粲教授を含む30名のご出席があり、興亜観音に並々ならぬ関心をもっておられる方々が多いことがよくわかった。
 以後、同志を集めて漸次(ざんじ)準備を進め、初代会長に田中正明先生、副会長に中村粲先生、堀江正夫先生のご就任の内諾を頂き、平成6年2月には、58期渡辺ニ雄君が事務局を引き受けてから一段と弾みがついた。

お詣りする総会参列者
お詣りする総会参列者

お詣りする総会参列者

 更に58期生会中央幹事会は「興亜観音を守る会」に協力を約した。2月9日九段会館で開催された世話人会に出席した15名が、それぞれ*万ずつを拠出(きょしゅつ)し、当座の費用に充当することにした。(このメンバーが現理事中の運営委員会の主力である)
 3月18日、58期会報発行当たり、本会の創立趣意書、入会依頼書、振り込み用紙などを同封させてもらうことができた。約****部である。
 この呼びかけに対して、4月末には約400名の同期生がこれに応じた。
 4月19日には、熱海で奉賛会の役員との打ち会わせを行った。これには当時の熱海市長内田滋氏も出席された。
 5月18日の例祭には、正式発表の前ではあるが世話人会の責任において、**万円を寄付した。
 以後、9月12日の発起人会まで、会則の審議、パンフレットの作成、偕行各期の方々や、田中、中村両先生ご推薦の方々に対する発起人、役員、顧問お引き受けのお願いなどの作業をすると同時に、各地偕行会、同期生会、幼年学校の同窓会、蘇峯会などに対して勧誘に努めた。会は順調に進み、会則、役員、顧問が原案通り内定した。
 次いで11月18日には興亜観音本堂で創立記念法要が行われ、引続き熱海水葉亭で創立総会が開かれた。
 出席者は約80名であった。この日改めて**万円が寄付された。以上が本会創立に至るまでの概要である。関係各位のご協力に心から感謝する次第である。
 (徳冨太三郎)

田中会長ほか主要役員決まる

 興亜観音を守る会主要役員

会 長 田中正明 (著述業、大亜細亜協会、松井大将秘書)
副会長 堀江正夫 (郷友連会長、陸士50期)
中村 粲 (獨協大教授)
理事長 大和瀬克司 (陸士52期)
副理事長 新野英一 (陸士56期)
理 事 小田村四郎 (行管庁元次官)
小堀桂一郎 (明星大教授)
佐藤和男 (青学大教授、海兵75期)
名越二荒之助 (高千穂商大講師)その他略
冨士信夫 (東京裁判研究家、海兵65期)
松平永芳 (靖国神社前宮司)
板垣 正 (参議院議員、陸士58期)その他略
監 事 倉林和夫 (英霊にこたえる会事務局長)
偕行関係役員
顧 問 犬飼總一郎 陸士48期 他
上田泰弘    49期
植村英一    50期
荒木護夫    51期 他
近藤雅之    52期
橋口通夫    53期 他
土肥 勲    54期 他
森 勇夫    55期 他
齋藤五郎    56期
天田達也    57期 他
理 事 青井秀山    58期 他
近藤 亘    59期 他
神林純一    60期 他
本間四郎    61期 他

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