理事長 大和瀬克司 新会員の増加にお力添えを
理事長 大和瀬克司

 私はこのたび、興亜観音を守る会の理事長に仰せつかり、身の引き締まる思いです。
 ここに、私と興亜観音とのご縁と、守る会についてのお願いのご挨拶を申し上げます。
 私と興亜観音との出会いを簡単に申しますと、平成5(1993)年5月18日の大祭の時に徳富太三郎先生に伴われ、御堂の前で奉納演舞を行ったことに始まります。当時の私は、興亜観音については全く無知で、その所在すら知りませんでした。その後、徳富師にたびたびお話を伺ううちに、その意義、設立の経緯、現状の状況などを次第に理解するに至りました。それとともに、この観音様は、他の各地にある観音様とは、かなり異なるのではないかと思い始めました。
 この観音様は、実際に戦場で、自国・自民族の為に血を流した敵味方の供養のためもさることながら、更に大きな具体的な目的、即ち、「広大無辺な観音力によって東亜の民に、自主独立の途を開き、自由と開放の喜びを享受してもらい、相共に永遠の楽土を築き上げよう」という壮大な目的があることであります。
 残念ながら現在の東亜の情勢は、結果として植民地から開放は為されたものの、平和共存の理想には程遠い状況下にあります。
 また、この地には、さきの大戦後、理不尽な裁判により、日本国民として最も悲惨な最後を遂げられた戦犯刑死者すべての御霊をおまつりし、お一人お一人のお名前を刻した観音菩薩像が寄進されつつあることも知りました。
 更に、松井閣下の「後は頼むよ」との一言に千釣の重味を感じ、一生を通じて興亜観音を守って来られた伊丹御一家の辛酸の日々のあることに深く心を打たれました。
 このような時に、興亜観音を守る会が結成され、しかも思いも掛けず理事長という大役をお引き受けいたすこととなりました。もとより浅学非才の身、その任に非ずとは思いますが、ご指名されました以上は、会長、副会長のご意図を体し、理事長各位のご支援を得ながら精一杯、会の発展に努力致す所存でございます。
 翻って、発足以来の会の現状を眺めますと、会員数に於いて千百余名を数えますが、なお当初の目標には到達しておりません。また、若い世代の会員が少なく心配の種となっております。
 何卒会員各位におかれましては、ひとり1名獲得を目標にご親族、ご友人、お知り合いの方々に、興亜観音の持つ大きな意義を御話し下さり、新しい会員の増加にお力添え頂ければまことにありがたい極みでございます。


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