工事完成報告

守る会理事

神林純一 徳富太三郎

■第一次工事について

 興亜観音は今を去る六十数年前に建立されたものでありますが、発願者松井石根大将の崇高なお気持ちを継ぎ、伊丹忍礼、妙真ご夫妻、続く伊丹姉妹の献身的な支えによって維持されて来ました。
 数多くの崇拝者や関係者の影になり日向になってのご援助が数多くあったことも、忘れてはなりません。
 しかしながら半世紀以上も経った事で、建物や参道など至る箇所に老朽化が目立ち、参拝者に不便がのみか危険すら生じて参りました。
 喫緊の改修工事について調査が始まったのは、平成八年の夏頃でした。
 又、改修工事特別協賛金募集のお願いも始まり、多数の方々から協賛金が寄せられたのは有り難い限りでした。
 それを基に、第一期工事として本堂と休憩所前のステージ改修が平成十年八月に無事完成しました(会報8号に報告掲載)。
 その後も協賛金には引き続き醵金が寄せられ、平成十一年三月に第二期工事として既存道路の拡幅、改修工事(会報第9号)を行いました。

■第二次工事について

 平成十三年二月半ばから再開させて戴いた改修工事賛助募金にも、多くの有志の醵金が寄せられたのを受け、同年十一月には駐車場工事(会報第15号記載)が完成(これによりUターンが可能となる)、参道途中まで自動車乗り入れが安全に出来るようになり、参詣者への利便が大幅に向上しました。
 この工事の際には、靖国神社崇敬奉賛会から、五十万円の助成金を戴いた事は忘れる事は出来ません。
 そして最後に残った庫裏の全面改築工事は平成十四年四月の業者との請負契約締結、七月から本格的に工事を開始して順調に進捗し、松井大将ほか七士の祥月命日に当たる十二月二十三日、めでたく竣工式を行う事が出来ました。
 以下簡単に工事進捗状況を報告申し上げます。

 一、設計・施工 

 旧・庫裏は平家建約二六坪でしたが、新・庫裏は木造二階建で一階一七、九坪となりました。
 姉妹の住居ですが宗教法人としての公的な行事も行えるよう、一階西側に床の間付の八畳間を設けました。

 二、工事人選定 

 平成十三年末から業者を捜し、三社の中から価格、誠実度等を勘案して、設計・施工は富士建設(株)に決定しました。
 と、同時にステージ改修工事で実績があり、伊丹姉妹への懇篤な世話に夫妻で貢献してくれている早川靖彦氏に、旧家屋の解体、搬出処分、整地、資材の小運搬を請け負ってもらいました。
 氏は、今回の工事でも極めて大きな役割を果たしてくれました。

 三、許認可関係 

 四月十五日工事契約締結後建築申請に取り掛かりました。
 現場に至る私道が(株)丸源さんとの共同所有となっているため、その承諾が必要でしたが、大屋浩氏(興亜観音責任役員)のお陰で快く承諾され承認書に押印して戴けたのは有り難い事でした。
 一方、風致区域関係と建物の建築申請は、熱海市はすんなり通り、静岡県への申請も問題なく、工事が進む事となりました。

 四、工事進捗状況 

 

 七月一日   旧建物解体開始 
 八月六日   基礎工事開始
 九月二日   建方開始
 同月三日   上棟式
十二月十日   竣工検査・完工

 今回の工事は極めて順調に進行しました。
 これは比較的天候にも恵まれ、請負者富士建設と早川氏の誠意ある取り組みと、段取りが良かったことによるものでした。
 十月の三・四日にすずめ蜂の襲来があり、巣の駆除が行われたというハプニングもありました。

 総 括 

 工期、工事費、仕上がり、いずれもまずまずの結果に終わったと考えます。
 工事業者の姿勢、加えて、早川靖彦氏夫妻の献身的奉仕によるところが大きいことを、特筆したと思います。
 しかし、第一次、第二次工事を通じて興亜観音にお心をお寄せ戴く全国の会員並びに有志の方々の、尊い賛助のたまものであることをぜったに忘れてはならないと存じます。
 更めて厚く御礼申し上げます。
 庫裏の改築工事を完了により、差し当たって興亜観音をお守りするのに必要な維持保全工事は、ほぼ終了したこの機会に、皆様方へご報告申し上げる次第であります。

新たに完成した庫裏の外観 平成14年12月23日に行われた法要の様子
完成した庫裏 祝賀法要(平成14.12.23)

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